【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで

魔法樹の寿命は個体差があり短くて百年、長くて千年も生きると言われているようだ。
昔は魔法樹を巡って戦争が起こっていたが、今は世界で魔法樹を力で手に入れることは禁止されている。
世界では魔法樹に対する約束事が厳しく決められていた。
その代表は魔法樹や聖女を無理やり奪おうとしてはならないというものだら、
破った国には制裁が与えられる。
それに無理やり魔法樹を国に持ち帰ったとしても必ず枯れてしまうからだ。
悪意に敏感、善意には恵で返してくれる……不思議な樹である。

魔法樹が生える場所は誰にも予想ができない。
大抵の場合はそこに大聖堂が建てられる。
その理由は魔法樹を守るためだ。

その魔法樹を守る特殊な職業があった。
それは〝聖女〟である。
植物を育てる魔法や治癒魔法を使う女性たちの総称だ。
その魔法樹を少しでも長らえさせるように重宝されている。
だが、魔法樹に力を与える聖女としての魔法の力を持つ女性は、魔法樹の同時期に存在できるかどうかはわからない。

その魔法を持つ女性が現れるかどうかは運だった。
聖女がいれば魔法樹は確実に長生きできる。
それはとても大切なことだった。

今まで魔法樹が現れたことがないバルガルド王国でローズマリーは初めての聖女となった。
バルガルド王国も魔法樹が現れてから三十年が経とうとしていたが、今まで聖女はいなかった。
そのせいなのかはわからないがローズマリーが聖女として魔法樹の元に行った時には、すでに魔法樹に元気がなくなりつつあった。

(このままだと魔法樹が枯れてしまいますね……)

毎日毎日、魔法樹の元に通いローズマリーは魔法樹を元気にしたいと考えていた。
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