【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルが読んだ魔法樹研究員たちが来るのを待つことなく、ローズマリーは彼に自由に歩き回る許可をもらう。
ローズマリーはワンピースの動きにくさに苦戦しつつ、アイビーの気配を辿っていく。

すると騎士たちが厳重な警備をしている大きく豪華な扉の前に辿り着く。

どうやらここにカールナルド王国で十年前に生まれた魔法樹、オパールが眠っているらしい。
どうやらアイビーはいつの間にか部屋を抜け出して、早々にオパールの様子を見にきたようだ。

ローズマリーを警戒する騎士たちの前に、リオネルが前に出て理由を簡単に説明する。
騎士たちはローズマリーが聖女だとわかった瞬間にすぐさまに跪いた。
あまりの勢いにこちらが驚いてしまう。
それほどこの国の人たちにとって聖女というのが重要なのかわかる出来事だった。

中に通してもらうと、部屋には植物がぎっしりと敷き詰められていて、花などもたくさん飾ってある。

(わぁ……! 自然がいっぱいです)

植物特有の緑の香りが鼻を掠める。
ローズマリーが一歩踏み出すと、風もないのに植物が揺れていた。

焦茶色の木で編み込まれたカゴの中、赤ん坊が静かに眠っている。
そのカゴを覗き込むようにして、アイビーは心配そうにしている。
アイビーはどんどんと成長しているようで、今は三歳児くらいだろうか。
まだ出会って一週間ほどしか経っていないのに、その成長速度には驚かされてしまう。


「アイビーくん、見つけましたよ」
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