【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
周囲の人たちも口々にローズマリーに感謝を述べて深々と頭を下げているではないか。
今にも泣きそうな安心した表情を見ていると、こんな自分でも役に立てたのだと思える。
アイビーもローズマリーに抱きついて安心しているようだ。

(こんな気持ち……初めててです)

平民出身だということで、バルガルド王国ではずっと否定され続けていたローズマリー。
ずっと蔑ろにされていたローズマリーとっては自分の存在を認められたような気がして誇らしい気分だ。
歩き出そうとすると、なかなか足に力が入らない。

(足がプルプルします……! 痺れて動けません)

こんなに長時間、同じ態勢で魔法を使ったのは初めてだったからだろう。
箱詰めされた時よりは疲労感はずっとマシだが、初めて感じる気怠さに戸惑っていた。
足が痺れてしまい、一歩を踏み出せずにやきもきしていると……。


「ローズマリー、失礼するよ」

「……え?」


ふわりと体が浮く感覚。
リオネルがローズマリーを抱え上げたのだとすぐに理解できる。
もちろん男性に抱えられたことなど、今まで一度もないローズマリーは戸惑ってしまう。


「きゃっ……!」


バランスが取れずにローズマリーはリオネルの首に腕を回して思いきり抱きついた。
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