【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「あっ、危ないです! 重いです、大変ですっ」

「しっかりと支えているから安心して体を預けてくれ。それにとても軽いから心配しなくて大丈夫だよ」

「あっ……はい」


リオネルが当たり前のように言うものだから、この行為はよくあるの ものなのかもしれないと思い直す。
そんなローズマリーの表情を見てか、見透かすようにリオネルは言った。


「ローズマリーはとても純粋なんだね。魔法樹に好かれる理由も理解できるよ」

「……?」

「心配になるくらいだ、だから僕が君を守るよ……もう誰にも君を利用させたりはしない」

「守る? わたしをですか?」

「ああ、君が笑顔になれるように」


サラリとホワイトシルバーの髪が流れた。
オレンジ色の瞳が優しくローズマリーを映し出している。

ローズマリーはリオネルに抱えながらオパールが寝ている部屋に出る。
部屋にいた人たちは全員廊下に出て、深々とローズマリーとリオネルに深々と頭を下げている。


「みなさま、どうしたのですか? 頭を上げてください」

「みんな、ローズマリーに感謝しているんだ」

「……!」


リオネルの言葉に胸がぽかぽかと温かくなったような気がした。
今度は一緒にアイビーもローズマリーについてくる。


「アイビーくん、オパールちゃんのそばにいなくて大丈夫なのですか?」


ローズマリーがそう問いかけると、アイビーは頷いてから笑顔を浮かべた。
その表情はもう安心していいのだと言いたげだ。
ローズマリーを抱えるリオネルの隣を、とことこと歩く姿はなんとも可愛らしい。
< 86 / 193 >

この作品をシェア

pagetop