【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
ローズマリーが気になっていると、リオネルはにっこりと笑みを浮かべながら腕を上げる。
するとサイドテーブルに置いてあった花瓶や花などがくるくると宙を舞って元の場所へと戻った。


「僕はこうして物を動かしたり、重さを操ったりできるんだ」

「初めて見ました……! すごい魔法ですね」

「ああ、だけど今は滅多に使うことはないかな」


土砂災害で被害を受けた町に行き、復興を手伝ったり重いものを持ち上げるのに役に立つそうだ。
こちらに向かってくる暗殺者や刺客を地面に押さえつけて動けなくすることもできると聞いて驚いていた。


「この魔法でも身を守ることはできるけど、なるべく剣術を使っているよ」

「どうしてでしょうか?」

「強い魔法ほど魔法樹の負担になってしまうからね」


リオネルは剣も得意らしく、大抵の人には負けないと言っていた。
それは魔法に頼りきりで『魔法があるのに護身術や剣術など馬鹿らしい!』と言って何も鍛錬をしていないクリストフとは真逆だろう。


「……それにしても本当に許せないな」

「……?」

「バルガルド王国やクリストフたちのローズマリーの扱いが垣間見えるたびに怒りが湧いてくるよ」

「そうでしょうか?」

「でもこうして君がこの国に来てくれてよかった。ローズマリーは僕が幸せにするから」
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