【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルの真剣な表情でローズマリーにこう言った。
ローズマリーはリオネルの言葉の意味を理解しようと一生懸命考えていた。

(な、なんだかプロポーズのようではないでしょうか……!)

夜、暇な時に読んでいた流行り恋愛小説は古くはあったが一番盛り上がる場面でこのようなセリフを言っていたような気がした。

(やはりリオネル殿下は本物の王子様なのですね)

クリストフも本物の王子様なのだが何かが違う。
うまく説明できないがリオネルとは圧倒的な差があるような気がしていた。
ローズマリーはじっとリオネルを見つめた後に、そわそわとした気持ちを落ち着かせるようにチョコレートを一粒口に運ぶ。

その瞬間……体全体に衝撃が走る。

(チョコレートは……こんなにも美味しいのですか!? こ、これは幸せの味です……!)

あまりの美味しさに頬が内側からとろけそうになっている。
チョコレートの美味しさに惚けていると、リオネルがもう一粒ローズマリーに差し出してくれた。
ローズマリーはリオネルが指で摘んでいるチョコレートにパクリと食いつく。

今度は先ほどのチョコよりも甘くなくて中にとろりとした甘酸っぱい液体が入っている。
口の中に広がっていく酸味と甘み。
先ほどとは違う美味しさにローズマリーは椅子に座りつつ無意識に体を揺らしていた。
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