【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「むぅ!? んーーーっ!」
「ははっ、美味しいんだね。シェフたちも嬉しそうだよ」
何度も何度も首を縦に振るローズマリー。
リオネルは楽しそうにチョコレートをローズマリーの口に運ぶ。
まるで親鳥が雛に餌付けをするようにも見えるが、ローズマリーはチョコレートの幸せな味に酔いしれていた。
リオネルはどんなチョコレートなのか一つずつ丁寧に教えてくれた。
ホワイトチョコレートにミルクチョコレート、キャラメルにアーモンドが入ったもの。
六粒くらい食べていくた甘ったるい味に飽きてしまい、もういいと首を横に振った。
その時のリオネルの表情は、なぜかとても残念そうだ。
「もう口の中が幸せでいっぱいです……!」
「まだまだデザートはあるけれどもういいのかい?」
「はい、もう十分です。明日の楽しみにしてもいいでしょうか?」
甘いものを食べ慣れないせいかお腹が警鐘を鳴らしている。
もっとチョコレートを食べてみたいのだが、体が受けつけない不思議な感覚だ。
「もちろんだよ。また僕が色々と説明してあげるよ」
「いいのですか? とても嬉しいです」
「ローズマリーのためならどんなことでもするよ」
「リオネル殿下は親切なのですね。ありがとうございます」
ローズマリーはリオネルの親切な人柄に感心していた。
こんなに美味しい食事を用意してくれるだけでも嬉しいのに、デザートの説明までもしてくれるのだという。