諦めの悪い外交官パパは逃げ出しママへの愛が強すぎる
誰かと出会うことでこんなにも自分の人生の歩みが想像していたものと違う形になっていくなんて考えてもみなかった。
きっと人は影響し合って生きていく。自分が必要とする相手に惹かれてその人を愛し、自分よりも大事に想う気持ちが芽生える。
互いに愛し、そして慈しみ、この先もずっとこの人と一緒にいたいと願う。そうして自分たちで掴んだものこそが本当の運命といえるものなのだろう。
「新婦様、チャペルの方に移動をお願いいたします」
時間がやってくると、咲良は世話役の介添係を伴い、チャペルの前までやってきた。そこには祖父が落ち着かない様子で待っており、咲良を一目見ると息を呑んだように目を細めた。
「綺麗じゃな。おまえのお母さんに見せてあげたかった。儂が空に旅立つ日がきたら必ずこの日のことを伝えよう」
声を震わせている祖父につられて泣いてしまいそうになったので、じゃれつくように腕をとって笑顔をかわした。
「もう、おじいちゃん。まだまだ長生きするんでしょう。千年生きるっておばあちゃんが言ってるわよ」
「はは。ばあさんに付き合いきれるかの」
そう言いながらも祖父の顔には祖母を相変らず慈しんでいるのが伝わってくる。そこには愛を知る人の顔があった。そういう祖父母の元で生まれ育ったからこそ今の咲良があるのだと思う。
「今までずっと、愛情深く見守ってくれて、ありがとう」
「儂の方こそ、ありがとう。咲良がいてくれてよかった。向こうで待っているばあさんの分まで伝えておこうかの」
「……うん」
泣かないように我慢していたけれど、とうとう感極まって涙がにじんでしまう。
「はは。おまえもせっかく綺麗なのだから。涙は千年先にとっておくといい。互いに夫婦で千年は生きねばの」
そういう祖父の目にも光るものがあった。
それから扉を開くと、祭壇の前に同じく純白の衣装……タキシードに身を包んだ恭平の麗しい立ち姿が入ってきて、咲良の鼓動は大きく跳ねた。あの日、彼に恋をしたときみたいに。
どれほど彼を恋しく思ってきた日々があったことだろう。一緒にいた日々も、離れていた日々も、再会してそばにいた日々も。今ではたくさん彼のことを知っているのに、それでもいつまでも彼にはときめいてしまう。
出会った頃から素敵な人だったけれど、彼のことが好きになる一方で、果てが見えない。
きっと人は影響し合って生きていく。自分が必要とする相手に惹かれてその人を愛し、自分よりも大事に想う気持ちが芽生える。
互いに愛し、そして慈しみ、この先もずっとこの人と一緒にいたいと願う。そうして自分たちで掴んだものこそが本当の運命といえるものなのだろう。
「新婦様、チャペルの方に移動をお願いいたします」
時間がやってくると、咲良は世話役の介添係を伴い、チャペルの前までやってきた。そこには祖父が落ち着かない様子で待っており、咲良を一目見ると息を呑んだように目を細めた。
「綺麗じゃな。おまえのお母さんに見せてあげたかった。儂が空に旅立つ日がきたら必ずこの日のことを伝えよう」
声を震わせている祖父につられて泣いてしまいそうになったので、じゃれつくように腕をとって笑顔をかわした。
「もう、おじいちゃん。まだまだ長生きするんでしょう。千年生きるっておばあちゃんが言ってるわよ」
「はは。ばあさんに付き合いきれるかの」
そう言いながらも祖父の顔には祖母を相変らず慈しんでいるのが伝わってくる。そこには愛を知る人の顔があった。そういう祖父母の元で生まれ育ったからこそ今の咲良があるのだと思う。
「今までずっと、愛情深く見守ってくれて、ありがとう」
「儂の方こそ、ありがとう。咲良がいてくれてよかった。向こうで待っているばあさんの分まで伝えておこうかの」
「……うん」
泣かないように我慢していたけれど、とうとう感極まって涙がにじんでしまう。
「はは。おまえもせっかく綺麗なのだから。涙は千年先にとっておくといい。互いに夫婦で千年は生きねばの」
そういう祖父の目にも光るものがあった。
それから扉を開くと、祭壇の前に同じく純白の衣装……タキシードに身を包んだ恭平の麗しい立ち姿が入ってきて、咲良の鼓動は大きく跳ねた。あの日、彼に恋をしたときみたいに。
どれほど彼を恋しく思ってきた日々があったことだろう。一緒にいた日々も、離れていた日々も、再会してそばにいた日々も。今ではたくさん彼のことを知っているのに、それでもいつまでも彼にはときめいてしまう。
出会った頃から素敵な人だったけれど、彼のことが好きになる一方で、果てが見えない。