諦めの悪い外交官パパは逃げ出しママへの愛が強すぎる
茫然としていた咲良だったが、このまま無視していいことではないことは確かだ。とにかく調べてみないことにはわからない。ただの体調不良の可能性だってあるのだから。
しばらく待って嘔気が落ち着いたのを見計らい、咲良は家を飛び出し、近くのドラッグストアに駆けこんだ。検査薬を買ってすぐに戻ってくると、しばしパッケージを眺めて迷った末に勇気を出して検査薬を試してみることにした。
お願い、と祈るような気持ちで両手を握った。
しかし目の前の検査薬は咲良に残酷な事実を突きつけてくる。はっきりと太い線が現れた。つまり陽性の判定が出たのだ。
咲良は愕然としたあと、思わず自分の下腹部に触れた。
「そんな……」
恭平の顔が思い浮かんだ。
(私が妊娠? 恭平さんとの赤ちゃん? でも、まだわからない……間違いかもしれない)
咲良は落ち着かない気持ちのままひとりでじっとしていられなくて、急いで近くの産婦人科を調べ、これから初診を受け付けているかどうかを確認した。一刻も早く事実を確かめなくては気が治まらなかったのだ。
緊張に身を包みながら産婦人科で診察をしてもらうと、診察台に乗ったままの状態で医師から腹部エコーの画面を見せられた。その画面では胎児の存在が確認できた。現在、妊娠三ヶ月に入るところだという。出産予定日は七月半ば頃になるだろうという話だった。
診察を終えたあと、看護師の話があまり頭に入ってこないまま咲良は途方に暮れた。
次の診察予約をとって会計を終えたあと、咲良はすぐに帰る気にはなれず、待合ロビーでしばらくエコーの画像をプリントアウトしてもらった写真を眺めながらぼんやりしていた。
恭平と初めて結ばれた日、それから幾度となく愛を交わした日のことが思い出される。彼は咲良を大事に思いやってくれていたが、激情に駆られるまま愛し合った二人の間ですべて手順が完璧だったかといわれると定かではない。きちんとしたとしても百パーセントという数字はありえないのだとも理解している。けれど、まさか……という気持ちは拭えない。
(恭平さんと私の赤ちゃんが……)
医師から説明をされたものの最初は、頭の中が空っぽだった。これからどうしていくとか予定さえ思い浮かばない。ただこの事実以外、何も考えられなかった。
恭平に連絡を……と動きかけたが、その拍子に様々なことが思い浮かんだ。
しばらく待って嘔気が落ち着いたのを見計らい、咲良は家を飛び出し、近くのドラッグストアに駆けこんだ。検査薬を買ってすぐに戻ってくると、しばしパッケージを眺めて迷った末に勇気を出して検査薬を試してみることにした。
お願い、と祈るような気持ちで両手を握った。
しかし目の前の検査薬は咲良に残酷な事実を突きつけてくる。はっきりと太い線が現れた。つまり陽性の判定が出たのだ。
咲良は愕然としたあと、思わず自分の下腹部に触れた。
「そんな……」
恭平の顔が思い浮かんだ。
(私が妊娠? 恭平さんとの赤ちゃん? でも、まだわからない……間違いかもしれない)
咲良は落ち着かない気持ちのままひとりでじっとしていられなくて、急いで近くの産婦人科を調べ、これから初診を受け付けているかどうかを確認した。一刻も早く事実を確かめなくては気が治まらなかったのだ。
緊張に身を包みながら産婦人科で診察をしてもらうと、診察台に乗ったままの状態で医師から腹部エコーの画面を見せられた。その画面では胎児の存在が確認できた。現在、妊娠三ヶ月に入るところだという。出産予定日は七月半ば頃になるだろうという話だった。
診察を終えたあと、看護師の話があまり頭に入ってこないまま咲良は途方に暮れた。
次の診察予約をとって会計を終えたあと、咲良はすぐに帰る気にはなれず、待合ロビーでしばらくエコーの画像をプリントアウトしてもらった写真を眺めながらぼんやりしていた。
恭平と初めて結ばれた日、それから幾度となく愛を交わした日のことが思い出される。彼は咲良を大事に思いやってくれていたが、激情に駆られるまま愛し合った二人の間ですべて手順が完璧だったかといわれると定かではない。きちんとしたとしても百パーセントという数字はありえないのだとも理解している。けれど、まさか……という気持ちは拭えない。
(恭平さんと私の赤ちゃんが……)
医師から説明をされたものの最初は、頭の中が空っぽだった。これからどうしていくとか予定さえ思い浮かばない。ただこの事実以外、何も考えられなかった。
恭平に連絡を……と動きかけたが、その拍子に様々なことが思い浮かんだ。