諦めの悪い外交官パパは逃げ出しママへの愛が強すぎる
恭平には別れを告げたばかりだ。彼のためにも必要な別れなのだと、咲良が決断したことだ。好きな人ができたからと嘘までついた。彼を傷つけてしまったのだ。
結局、咲良は彼との人生よりも自分の仕事を優先した。ひどいことをしてしまったと思う。なのに今さらあなたとの子を妊娠していたからよりを戻してくださいなどと言えるわけがない。あまりにも都合がよすぎる。
それに、恭平には既に新しい婚約者が用意されていた。今頃もう話がまとまっているかもしれない。そうなれば咲良の出る幕はないだろう。
それどころか、もしこの事実が和葉にまで知られたら彼女が次はどういう行動に出るのか、それがとても怖かった。彼女はありとあらゆる手段を使って咲良を追い詰めてくることだろう。堕胎を迫られるか、或いは親権を剥奪するように動くか。それくらいしそうな圧力を感じたのだ。
(怖い……どうしたらいいかわからない)
でも、しっかりしないとならない。今、お腹の子が頼れるのは自分ひとりだけなのだから。
この子を育てるために働かなければならない。母親としての責任があるのだ。
翌日、体調は戻らないままだったが、なんとか気合を入れて普通通りに出勤した。しかし結局、気分が優れずにすぐに早退することになってしまった。
その次の日は眩暈と吐き気が強く、ベッドから起き上がれずに休むことになった。
そのまた次の日も出社はするものの落ち着いて業務はできず、休み時間のたびにトイレに駆け込んだ。通訳で外出することは難しかったため、内勤業務を担当させてもらった。
つわりはしばらくすれば落ち着くものらしいが、いつまでもこの状態では周りに迷惑ばかりかけてしまう。いつ会社へ報告をしたらいいのか迷っていたので、最初はただの体調不良だと上司には伝えていたのだが、このままごまかしたままではいられなさそうだ。
「あなた、もしかして……」
二人の先輩たちに咲良がヒールのない靴を履いていたことや顔色がすぐれないことを指摘され、咲良はとうとう白状するほかになかった。すると、早めに上司に報告して現状について配慮してもらったほうがいいと言われてしまった。
でもきっとそうしたらどうなることかくらい咲良にはわかった。きっと大事なやり遂げたかった仕事から担当を外されてしまうことだろう。
結局、咲良は彼との人生よりも自分の仕事を優先した。ひどいことをしてしまったと思う。なのに今さらあなたとの子を妊娠していたからよりを戻してくださいなどと言えるわけがない。あまりにも都合がよすぎる。
それに、恭平には既に新しい婚約者が用意されていた。今頃もう話がまとまっているかもしれない。そうなれば咲良の出る幕はないだろう。
それどころか、もしこの事実が和葉にまで知られたら彼女が次はどういう行動に出るのか、それがとても怖かった。彼女はありとあらゆる手段を使って咲良を追い詰めてくることだろう。堕胎を迫られるか、或いは親権を剥奪するように動くか。それくらいしそうな圧力を感じたのだ。
(怖い……どうしたらいいかわからない)
でも、しっかりしないとならない。今、お腹の子が頼れるのは自分ひとりだけなのだから。
この子を育てるために働かなければならない。母親としての責任があるのだ。
翌日、体調は戻らないままだったが、なんとか気合を入れて普通通りに出勤した。しかし結局、気分が優れずにすぐに早退することになってしまった。
その次の日は眩暈と吐き気が強く、ベッドから起き上がれずに休むことになった。
そのまた次の日も出社はするものの落ち着いて業務はできず、休み時間のたびにトイレに駆け込んだ。通訳で外出することは難しかったため、内勤業務を担当させてもらった。
つわりはしばらくすれば落ち着くものらしいが、いつまでもこの状態では周りに迷惑ばかりかけてしまう。いつ会社へ報告をしたらいいのか迷っていたので、最初はただの体調不良だと上司には伝えていたのだが、このままごまかしたままではいられなさそうだ。
「あなた、もしかして……」
二人の先輩たちに咲良がヒールのない靴を履いていたことや顔色がすぐれないことを指摘され、咲良はとうとう白状するほかになかった。すると、早めに上司に報告して現状について配慮してもらったほうがいいと言われてしまった。
でもきっとそうしたらどうなることかくらい咲良にはわかった。きっと大事なやり遂げたかった仕事から担当を外されてしまうことだろう。