諦めの悪い外交官パパは逃げ出しママへの愛が強すぎる
恭平は声を弾ませるようにして笑った。浮ついているのもお互い様なのかもしれない。やっと一緒になれるのだという気持ちが二人を昂揚させている気がする。
無論、恵茉の存在も大きい。彼はまるで花でも愛でるようにやさしい眼差しを恵茉に向けていた。それが咲良も嬉しくてならなかった。
それから彼がついでと説明してくれたが、玄関から廊下までに通り過ぎてきた二つの部屋は寝室と物置らしい。
十帖ほどのスペースをとってある寝室のベッドはダブルベッドなので広さ的には二人で寝ることはできるけれど、恵茉のベビー用のベッドが必要になるかもしれない、という話だったが。
当たり前のように一緒に寝る、ということに咲良は赤面していた。
「リビングの奥に和室があるようですし、そこに私と恵茉がお布団を敷く……というのでもいいんですが」
ぎこちなく咲良が主張したところ恭平から却下されてしまう。
「それなら俺がソファベッドを用意してそっちを使うよ」
「ダメですよ。恭平さんの疲れが取れません」
「じゃあ、一緒に寝るということでいいかな?」
……策士。
咲良は恭平をジッと見た。
「……相変らず巧いですね、そういうところ」
「なんのことかな。別に丸め込むつもりで言ったわけじゃないんだけど、なんだか君には誤解されているみたいだな」
そんなやりとりさえ以前の二人に時間から進めたような気がして咲良は悪い気はしていない。要するにふたりなりのじゃれ合いのようなものなのだ。
その日は既に食事は済ませてきたので寝支度をして明日に備えようということになった。
恵茉ははしゃぎ疲れたのか欠伸をしたと思ったらころっと寝てしまった。そんな恵茉を見ていた咲良も、咲良も恭平との夜を意識する以前に、慣れない飛行機の旅でどっと疲労が襲ってきて睡魔に吸い込まれ、やがて額やまぶたに恭平がキスをしてくれたような感覚だけが夢の中でも感じられたのだった。
朝起きると、隣に恭平の姿はなかった。咲良は思わずのっそりと起き上がった。
彼もあのあとちゃんと寝たのだろうか。ひとまずのところ三人でベッドを使い、真ん中に寝せていた恵茉はまだスヤスヤ寝ている。しばらく起きる様子はない。
寝室を出ると、リビングの方からコーヒーの香ばしい匂いが漂ってきた。
「おはよう」
無論、恵茉の存在も大きい。彼はまるで花でも愛でるようにやさしい眼差しを恵茉に向けていた。それが咲良も嬉しくてならなかった。
それから彼がついでと説明してくれたが、玄関から廊下までに通り過ぎてきた二つの部屋は寝室と物置らしい。
十帖ほどのスペースをとってある寝室のベッドはダブルベッドなので広さ的には二人で寝ることはできるけれど、恵茉のベビー用のベッドが必要になるかもしれない、という話だったが。
当たり前のように一緒に寝る、ということに咲良は赤面していた。
「リビングの奥に和室があるようですし、そこに私と恵茉がお布団を敷く……というのでもいいんですが」
ぎこちなく咲良が主張したところ恭平から却下されてしまう。
「それなら俺がソファベッドを用意してそっちを使うよ」
「ダメですよ。恭平さんの疲れが取れません」
「じゃあ、一緒に寝るということでいいかな?」
……策士。
咲良は恭平をジッと見た。
「……相変らず巧いですね、そういうところ」
「なんのことかな。別に丸め込むつもりで言ったわけじゃないんだけど、なんだか君には誤解されているみたいだな」
そんなやりとりさえ以前の二人に時間から進めたような気がして咲良は悪い気はしていない。要するにふたりなりのじゃれ合いのようなものなのだ。
その日は既に食事は済ませてきたので寝支度をして明日に備えようということになった。
恵茉ははしゃぎ疲れたのか欠伸をしたと思ったらころっと寝てしまった。そんな恵茉を見ていた咲良も、咲良も恭平との夜を意識する以前に、慣れない飛行機の旅でどっと疲労が襲ってきて睡魔に吸い込まれ、やがて額やまぶたに恭平がキスをしてくれたような感覚だけが夢の中でも感じられたのだった。
朝起きると、隣に恭平の姿はなかった。咲良は思わずのっそりと起き上がった。
彼もあのあとちゃんと寝たのだろうか。ひとまずのところ三人でベッドを使い、真ん中に寝せていた恵茉はまだスヤスヤ寝ている。しばらく起きる様子はない。
寝室を出ると、リビングの方からコーヒーの香ばしい匂いが漂ってきた。
「おはよう」