『夢列車の旅人』 ~過去へ、未来へ、時空を超えて~ 【新編集版】

(3)


 仕事で疲れているはずなのに、眠気はやってこなかった。
 寝るのを諦めたわたしはスマホを手に取って、二つのキーワードを入力した。
『徳島絵美』と『キュレーター』
 検索ボタンを押せば結果が出てくるのはわかっていたが、何故か躊躇った。
 彼女と、つまり高松さんの妹と繋がりを持つことによって何が起こるのか、
 それが変な方向に自分を連れて行かないのならいいのだが、〈もし抜け出せないような酷いことになったとしたら〉と思うと、指が動かなかった。

 やっぱり寝よう、
 気が進まないことを無理してすることはない、

 検索画面を×ボタンで消して布団に潜り込んだ。

< 31 / 112 >

この作品をシェア

pagetop