君ともう一度、　恋を始めるために
「どうしたの、急に？」

平静を装いながらも、玲奈の声が震えている。

「君は柚葉に何をした？」
「何をって、別に・・・」

動揺を必死に隠しながらしらを切ろうとする玲奈に、涼は鋭い視線を向ける。

「無言電話や、誹謗中傷のメール」
「そんなの知らないわ」

慌てた様子で玲奈は涼の言葉を遮った。

「じゃあ、彼女の娘を黙って連れ出したことは？うちの母に妙な入れ知恵をしたことまで知らないとは言わせないぞ」
「それは・・・」

さすがにすべてを知らないと言い切ることはできないと悟ったようで、玲奈は黙り込んだ。
そのタイミングで、涼は恭介に調べさせた報告書を玲奈の前に放った。

「これは君が行った犯罪について調べさせたものだ。同じものを速水のおじさんの元にも届けてある」
「そんな、酷いわ。私は涼のために」
「俺のため？違うだろ、すべては君自身のための行動だ」

はっきりと言いきった涼に、玲奈は黙ってうつむいた。
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