魔法のマーメイドクラブ
「アメの形が残ってるあいだは、姿が半透明になるんだヨ」
アクアちゃんの姿が、スーッと消えていく。まるで霧みたいに。
手をつないでいる感覚だけが、残っている。
わたしの体も、見えなくなっちゃった。
これなら、地上へ近づいても人にバレない。
低く飛ぼうとしたとき、後ろからバサバサと音がした。
『コレホシイ、ヨコセ』
ふりかえると、大きな黒い物体が、翼を広げてこっちへ向かってきた。
「カラスが……!」
わたしのスニーカーをつついて、羽を取ろうとしている。
どうして? 今、姿は見えていないはずなのに。
「やめなさいヨ! 人の物取っちゃいけないって、おウチのヒトに教わらなかっタ〜?」
よく目をこらすと、腕を組んで怒るアクアちゃんのりんかくが見える。
『ズルイ、ホシイ、ヨコセ』
このカラスには、わたしたちが見えているんだ!
次は、アクアちゃんのスニーカーに口ばしを
当てている。
クルッと回転して、必死に抵抗するけどしつこい。羽をくわえて離そうとしない。
「カラスさん、やめて! 落ちちゃう!」
羽のついているさかいめが、ビリッとやぶれかけている。
「もう怒ったからネ! いいかげんに、シナーサーイッ!」
アクアちゃんが手のひらをかざすと、たくさんの雲が吸い寄せられるように集まってきた。
なんだかあやしい雲行き。そのうちにゴロゴロと雷のような音がなり出して、カラスはあわてて逃げて行った。
アクアちゃんの姿が、スーッと消えていく。まるで霧みたいに。
手をつないでいる感覚だけが、残っている。
わたしの体も、見えなくなっちゃった。
これなら、地上へ近づいても人にバレない。
低く飛ぼうとしたとき、後ろからバサバサと音がした。
『コレホシイ、ヨコセ』
ふりかえると、大きな黒い物体が、翼を広げてこっちへ向かってきた。
「カラスが……!」
わたしのスニーカーをつついて、羽を取ろうとしている。
どうして? 今、姿は見えていないはずなのに。
「やめなさいヨ! 人の物取っちゃいけないって、おウチのヒトに教わらなかっタ〜?」
よく目をこらすと、腕を組んで怒るアクアちゃんのりんかくが見える。
『ズルイ、ホシイ、ヨコセ』
このカラスには、わたしたちが見えているんだ!
次は、アクアちゃんのスニーカーに口ばしを
当てている。
クルッと回転して、必死に抵抗するけどしつこい。羽をくわえて離そうとしない。
「カラスさん、やめて! 落ちちゃう!」
羽のついているさかいめが、ビリッとやぶれかけている。
「もう怒ったからネ! いいかげんに、シナーサーイッ!」
アクアちゃんが手のひらをかざすと、たくさんの雲が吸い寄せられるように集まってきた。
なんだかあやしい雲行き。そのうちにゴロゴロと雷のような音がなり出して、カラスはあわてて逃げて行った。