魔法のマーメイドクラブ
「……うま」
「ミイちゃん、すっごいネ! 色鉛筆ダケで、このクオリティ!」

 ギュッとつぶっていたまぶたを、ゆっくり開く。
 二人の目がキラキラしていて、安心よりも驚きが先にきた。なんの話だろうって。
 マーメイド戦士マリンのこと、引かれると思った。五年生にもなって、幼稚園の子が見るようなアニメが好きだから。

 でも、アクアちゃんとカナトくんの反応は、思っていたのと違った。

「わたしの絵って……、すごいの?」

 二人とも、イラストの方を褒めてくれた。
 絵はそれなりに好き。昔から、勉強の息抜きとしてたまに描いている。親にも、もちろん誰かに見せたのは初めて。

「ミイちゃんの特技、見つけたネ!」

 ただの画用紙の絵を、アクアちゃんが大事そうに壁へ飾ってくれた。
 部屋の机に置いていたときより、ずっと良いものに見える。

「これだけ描けるやつって、学校の中でなかなかいないと思う。自信持っていいよ」
「ウンウン♪」
「そう……なのかな。ありがとう」

 なんだかくすぐったい。思いがけないところで、自分を認めてもらえた気がして。
 にぎやかになった場所を見渡す。
 貝殻に魔法のような石。それから、わたしの絵。みんなの好きがつまった秘密基地が完成した。

 これから、ここがわたしたちの居場所になるんだ。
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