魔法のマーメイドクラブ
夏休みに入って、臨海学校へ行く前日。
緊張する心を落ち着かせながら、わたしは家のチャイムをならす。グレーのスタイリッシュな家から、カナトくんが出て来た。
「いらっしゃい」
「お、おじゃまします」
ロボットみたいに歩きながら、部屋の中へ入る。
今日は、わたし一人。アクアちゃんが用事で集まれないから、カナトくんの家で泳ぐ練習をさせてもらうことになったの。
一度はムリだと断ったんだけど、本番は明日だからって。背中を押されて。
階段を上がって、カナトくんの部屋へ着いた。勉強の本がぎっしりある。その本棚を動かすと、また棚がでてきた。どうやら、二重構造になっているみたい。
魔法グッズがたくさん飾られている。前に教えてくれたローナ・リッチのものかな。魔法学校の制服とか、魔法の杖。横の棚には、いくつか石もあった。
うわぁ……、カナトくんの部屋って感じだ。クラスの子たちは、想像ができないだろうな。
初めてのことだらけで、頭の中が真っ白になる。
ただでさえ、アクアちゃんがいるから、会話ができてるようなものなのに。二人きりなんて、なにを話したらいいんだろう。
「そんな緊張しなくていいよ。誰も入って来ないから。今、家にミイと俺しかいないし」
「え⁉︎」
「両親、仕事だから」
「そ、それは……一大事」
「人に見られたくないんだろ? 練習してるところ」
「う、うん。そう……なんだけど」
別の意味で、余計に意識しちゃうよ。
アクアちゃんが貸してくれた【水たまり石】を、ベッドの横に置く。
ぐんぐんと大きくなって、あっという間に小さなプールができた。部屋の端から端まで、全部がピンクのスライムにおおわれている。
机や本棚の上に乗っかっているけど、スライムみたいなところへフニョンと顔を入れると、しっかりプールだ。
緊張する心を落ち着かせながら、わたしは家のチャイムをならす。グレーのスタイリッシュな家から、カナトくんが出て来た。
「いらっしゃい」
「お、おじゃまします」
ロボットみたいに歩きながら、部屋の中へ入る。
今日は、わたし一人。アクアちゃんが用事で集まれないから、カナトくんの家で泳ぐ練習をさせてもらうことになったの。
一度はムリだと断ったんだけど、本番は明日だからって。背中を押されて。
階段を上がって、カナトくんの部屋へ着いた。勉強の本がぎっしりある。その本棚を動かすと、また棚がでてきた。どうやら、二重構造になっているみたい。
魔法グッズがたくさん飾られている。前に教えてくれたローナ・リッチのものかな。魔法学校の制服とか、魔法の杖。横の棚には、いくつか石もあった。
うわぁ……、カナトくんの部屋って感じだ。クラスの子たちは、想像ができないだろうな。
初めてのことだらけで、頭の中が真っ白になる。
ただでさえ、アクアちゃんがいるから、会話ができてるようなものなのに。二人きりなんて、なにを話したらいいんだろう。
「そんな緊張しなくていいよ。誰も入って来ないから。今、家にミイと俺しかいないし」
「え⁉︎」
「両親、仕事だから」
「そ、それは……一大事」
「人に見られたくないんだろ? 練習してるところ」
「う、うん。そう……なんだけど」
別の意味で、余計に意識しちゃうよ。
アクアちゃんが貸してくれた【水たまり石】を、ベッドの横に置く。
ぐんぐんと大きくなって、あっという間に小さなプールができた。部屋の端から端まで、全部がピンクのスライムにおおわれている。
机や本棚の上に乗っかっているけど、スライムみたいなところへフニョンと顔を入れると、しっかりプールだ。