魔法のマーメイドクラブ
「霧谷くんって、最近、美波ちゃんと仲良いよね。好きなの?」
りっちゃんの席へ目を向けてから、マナちゃんはもっと大きな声をだした。聞こえるように、わざとしているみたい。
「なんでそうなるんだよ」
「かばってるから」
わたしは下を向いたから、カナトくんがどんな顔をしていたか分からない。
好きなわけないじゃない。チームアクアの仲間だから、味方してくれただけだよ。
それなのに、わたしは……。
「一生懸命、練習してたの知ってる。それに、花池さんはそんなズルしない」
ズキンと、胸が張りさけそうな音がなる。
信じてくれているカナトくんを、裏切っている。ここにいる、みんなのことも。
「私たち、別に責めてるわけじゃないよね? ただ、ほんとのこと知りたいだけだし」
「そうだよ。みんな頑張って、一位目指してたんだからね」
知る権利はある。マナちゃんたちの言うことは、間違っていない。悪いのは、本当のことを言えなかったわたしだもん。
「ミイちゃんは、ちゃんと泳いでタヨ! アクア見てたモン! みんなも見てたデショ? ネッ、ミイちゃん?」
うしろから、アクアちゃんに抱きしめられた。その力はギュッと強くて、でも優しい。
アクアちゃんが泣いてる。わたしのために、悲しんでいる。
「……ごめん。みんな、ごめんなさい。黙ってて……ごめん」
頭を下げたまま、つぶやいた。
アクアちゃんの記憶が消えていて、よかった。そうじゃなかったら、たぶん、ありのまま話していたと思う。
アクアちゃんの秘密を暴露して、わたしを守ろうとしてくれたに違いない。
「ほらぁ、やっぱり。ズルして一位になったんだ! だから言ったでしょ」
「花池さんって、そんなことする子だったんだね」
「でもどうやったの?」
ざわざわと、教室中で話し声がわき上がる。あたり前だけど、悪い方ばかりのだ。
もっと早く謝れていたら、こんなことには、ならなかったのかな。
りっちゃんの席へ目を向けてから、マナちゃんはもっと大きな声をだした。聞こえるように、わざとしているみたい。
「なんでそうなるんだよ」
「かばってるから」
わたしは下を向いたから、カナトくんがどんな顔をしていたか分からない。
好きなわけないじゃない。チームアクアの仲間だから、味方してくれただけだよ。
それなのに、わたしは……。
「一生懸命、練習してたの知ってる。それに、花池さんはそんなズルしない」
ズキンと、胸が張りさけそうな音がなる。
信じてくれているカナトくんを、裏切っている。ここにいる、みんなのことも。
「私たち、別に責めてるわけじゃないよね? ただ、ほんとのこと知りたいだけだし」
「そうだよ。みんな頑張って、一位目指してたんだからね」
知る権利はある。マナちゃんたちの言うことは、間違っていない。悪いのは、本当のことを言えなかったわたしだもん。
「ミイちゃんは、ちゃんと泳いでタヨ! アクア見てたモン! みんなも見てたデショ? ネッ、ミイちゃん?」
うしろから、アクアちゃんに抱きしめられた。その力はギュッと強くて、でも優しい。
アクアちゃんが泣いてる。わたしのために、悲しんでいる。
「……ごめん。みんな、ごめんなさい。黙ってて……ごめん」
頭を下げたまま、つぶやいた。
アクアちゃんの記憶が消えていて、よかった。そうじゃなかったら、たぶん、ありのまま話していたと思う。
アクアちゃんの秘密を暴露して、わたしを守ろうとしてくれたに違いない。
「ほらぁ、やっぱり。ズルして一位になったんだ! だから言ったでしょ」
「花池さんって、そんなことする子だったんだね」
「でもどうやったの?」
ざわざわと、教室中で話し声がわき上がる。あたり前だけど、悪い方ばかりのだ。
もっと早く謝れていたら、こんなことには、ならなかったのかな。