魔法のマーメイドクラブ
 よく分からないけどラッキーだった。みんな無事だ。
 気絶したアクアちゃんとわたしを抱きかかえて、カナトくんが空を歩く。
 けれど重量オーバーみたいで、一歩踏み出すたびに、ストンストンと下がっていく。

「くそっ……、このままだと、また海へ落ちる」
「先に、アクアちゃんを連れていって。わたしは大丈夫だから」

 離れようとするけど、カナトくんの腕にしっかりと掴まれていてビクともしない。

「そんなことできるかよ! だったら、俺の代わりに履いて、ミイがアクアをーー」

 言い合いを止めるかのように、アクアちゃんの体がポワンと光り始める。黄金に輝くように、まぶしい。
 その光は大きくなり続ける海を包み込んで、すべてを真っ白に変えていく。

 一瞬にして海や生き物は消えて、プールへと戻った。
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