魔法文具屋で、“わたし改革”はじめます!



閉店後のパレットは、いつもの賑わいが嘘のように静かだった。
夜のランプがほのかに灯るカウンターの奥で、ここねは一人、小さな机に向かっていた。


机の上には、すべすべとした木肌のえんぴつ。まっさらなノート。
そのほかにも、まだ何の魔法も込められていない、ただの文房具がたくさん並べられた。


ここねは、深呼吸をひとつして、指先でえんぴつを包み込んだ。





「……わたしだけの魔法を、込める……か」





“わたしだけの魔法”ってなんだろう?


そんな大きな責任を背負うのは怖いけれど、同時に、自分らしい力を信じてみたいと思う気持ちもあった。
今まで助けてもらったように、誰かの心にそっと寄り添える魔法にできたら——そんな願いが、小さく胸に芽生えていた。


今まで店に訪れたお客さんたち。
それぞれの悩みや思いに合わせて、魔法文房具は優しく背中を押してきた。


——自分が誰かの背中を押せるような魔法、そんなの……。


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