婚約破棄されましたが、聖女様ごとまとめてざまぁさせていただきます ~平凡令嬢、イケメン魔導師に拾われ溺愛される~
第2部 すべてを失って
屋敷に戻った私を迎えたのは、温かな言葉ではなかった。
父は扉の前に立ち、まるでよそ者を見るような目で私を見下ろした。
「今すぐ、荷物をまとめて出て行け」
「えっ……?」
耳を疑った。
「ど、どうして……?」
震える声で問いかける。
「聖女様に抗うなど、もってのほかだ」
胸がざわついた。
おかしい。
父はもともと、聖女など神話の中の存在だと笑っていたはずなのに。
「おまえなど、もう娘ではないわ」
その言葉に、背筋が凍る。
そして、父が私に背を向け、振り返ったその瞬間――
彼の瞳の奥に、見覚えのある光が宿っていた。
金色の光。
そう、あの夜のルディエル様と同じ。
ゾッとする寒気が、全身を這い上がってくる。
まさか……これは偶然なんかじゃない。
何かが、この国を蝕んでいる――
私はその渦中に、無防備に放り込まれていたのだ。
父は扉の前に立ち、まるでよそ者を見るような目で私を見下ろした。
「今すぐ、荷物をまとめて出て行け」
「えっ……?」
耳を疑った。
「ど、どうして……?」
震える声で問いかける。
「聖女様に抗うなど、もってのほかだ」
胸がざわついた。
おかしい。
父はもともと、聖女など神話の中の存在だと笑っていたはずなのに。
「おまえなど、もう娘ではないわ」
その言葉に、背筋が凍る。
そして、父が私に背を向け、振り返ったその瞬間――
彼の瞳の奥に、見覚えのある光が宿っていた。
金色の光。
そう、あの夜のルディエル様と同じ。
ゾッとする寒気が、全身を這い上がってくる。
まさか……これは偶然なんかじゃない。
何かが、この国を蝕んでいる――
私はその渦中に、無防備に放り込まれていたのだ。


