男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
「トーラ、お前にあの魔女の捜索隊に同行してもらいたい」
「え……」
「陛下!」
私とほぼ同時に驚いたように声を上げたのはラディスだった。
彼も初耳だったらしい。
「なんだ、ラディス」
「彼はまだ見習いです。そのような任務にはまだ」
「ならば今から騎士になればよい」
「なっ……!」
(えっ)
それには私も驚いた。
「そのくらいの褒美は与えても良いとは思うがな」
「し、しかしながら陛下」
「相変わらず、お前は頭が固いなラディス。だから冷徹などと言われるのだ」
ため息混じりに王様が言う。
でも嫌な言い方ではなかった。どちらかというと憂いているような言い方だ。
「それとも流石のお前もやはり魔女は恐ろしいか?」
「そういうわけでは……」
と、王様の視線が私に戻ってきた。
「トーラ。お前の気持ちはどうだ。行ってはくれぬか」
私は王様の目をまっすぐに見ながら答える。
「オレ……いえ、わたくしがお役に立てるのでしたら」
「おお!」