男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
男装聖女と魔女の家 2
「それは……」
フェリーツィアがバツの悪そうな顔で言い淀み、それが答えなのだとわかった。
(じゃあ、みんなが危ない目に遭ったのは、私のせい……?)
固く握った拳が震えた。
「いつまで経っても聖女様が現れないから、どっちかの騎士団が隠してるんだと思ったんだよ」
フェリーツィアの代わりにそう答えたのはおかっぱ頭の青年だった。
「まさか聖女様自身が男になって騎士団に入ってるなんて思わないじゃんね」
「フヌーディ黙って。私が説明するから」
「へ〜い」
フヌーディと呼ばれた青年は軽い調子で返事をすると近くにあった椅子に腰を下ろした。
フェリーツィアがもう一度真剣な眼差しで私を見つめる。
「ちゃんと最初から説明させて」
「……」
私はそれをただ睨みつけていた。
ショックが大きくて、言葉が出なかった。
「自己紹介が遅れたけれど、私はフェリーツィア。一応、魔女と呼ばれる存在」
(一応……?)
その妙な言い方に眉をひそめる。