男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
こくりと頷く。
「その聖女が最期どうなったかは?」
首を横に振る。
聖女の最期なんて知らない。誰からも聞いていない。
「聖女は最期、国の危機を救うためにその力を使い果たし死んだ」
「!?」
息を呑む。
でも彼女はすぐに続けた。
「――と、伝説ではそういうことになってるわ」
「……え?」
「でも真実は違う」
口に出すのも腹立たしいという顔でフェリーツィアは言った。
「その絶大な力を恐れた国王に殺されたの」
私は大きく目を見開く。
「正確には、国王に命令された騎士の手によって」
(そんな……)
あまりのことに絶句する。
そのとき私の頭に浮かんだのは、つい先日お会いした若い国王様と、そしてラディスの姿だ。
慌てて振り払うが、フェリーツィアの言うことが本当だとしたら前の聖女はそれまで守ってくれていた騎士の手で殺されたことになる。
「だから、私たちは同じ歴史を繰り返さないためにも騎士団より先に聖女を、あなたを保護したかった」