男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

(予言の場所?)

 聖女が現れるという予言があったのは知っていたが、場所まで予言されていたのかと驚く。

(……あれ?)

 そこで、頭に何か引っ掛かりを覚えた。

(なんだ……?)

 その間もフェリーツィアの話は続いた。

「きっと既にレヴァンタかバラノス、どちらかの騎士団の元にいるのだろうと考えた。だから聖女のふりをして騎士団に入り込み、あなたを探すことにしたの。もし聖女を隠しているとしたら、その時点で私たちが偽物だと気付くはずだもの。……でも、バラノス騎士団もレヴァンタ騎士団もあっさりと私たちを受け入れた」

 ……そうだ。
 ラディス以外はみんな、フェリーツィアが聖女だと信じて疑っていなかった。
 みんな、彼女に憧れていた。なのに……。

 改めて悔しさがこみ上げてきて、ぐっと拳を握る。

「だからもう、最後の手段に出るしかなかった」
「最後の手段……?」
「騎士団に呪いを蔓延させて、あなたを炙り出す作戦」

 パンッと部屋の中に乾いた音が響いた。
 私が、彼女を引っ叩いたのだ。


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