男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
男装聖女と魔女の家 3
我慢が出来なかった。
例え、その理由が私のためだったとしても。
例え、彼女たちの先祖が私と同じ世界から来た人間だったとしても。
「最っ悪だ」
「……」
フェリーツィアが私が叩いた頬を押さえ俯く。
慌てたようにフヌーディと呼ばれていた彼が立ち上がった。
「こ、こいつのせいじゃない! これは村の皆で決めたことで」
「フヌーディ黙って。呪いをかけたのは私に間違いない」
彼を手で制しそう言った彼女に、私は低い声で続ける。
「友達や先輩が大変な目に遭った。私がいなかったら仲間の誰かが死んでいたかもしれない」
「……ごめんなさい」
フェリーツィアが俯いたまま謝る。
でも私の怒りはまだ治まらなかった。
「みんな、あんたに憧れていたのに……」
……私だって「魔女」に憧れていた。
フェリーツィアが魔女かもしれないと知って話してみたいと思った。
「なのに、あんたはその好意を最悪なかたちで踏みにじったんだ!」