男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

「はじめまして、聖女様。私はこの村の長老ダフニ。こうして生きているうちにあなた様に会いできて嬉しい限りです」

 そうして穏やかに微笑まれて、私はどういう顔をしていいのか分からなかった。
 とても優しそうなおばあさんだけれど、この村の長老ということはきっと彼女も魔女なのだろう。
 ということは、この人も騎士団に呪いをかけようと決めた一人なのだ。

「……」

 私が何も答えずにその細い目を見つめていると、彼女は続けた。

「この子は動けない私の代わりに私の頼みを聞いてくれただけ。責めるなら私ひとりを責めてくださいな」
「おばば様、なにをおっしゃるのです!」

 フェリーツィアが悲鳴のような声を上げる。

 ……なんだか、ちくちくと罪悪感を覚えてきてしまった。

(まるで、こっちが悪者みたいじゃないか)

「私たちはなんとしても聖女様をお守りしたかった。それが、代々受け継がれてきたご先祖様の願いだからです」
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