男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
フェリーツィアと同じことを言われて、私は思い切って口を開く。
「それでも、騎士団に呪いをかける必要はなかったのではないですか? うちは、レヴァンタ騎士団はなんとかなりましたが、バラノス騎士団は今大変な事になっていると聞きました」
「あんな戦争ばかりしてる国、どちらも滅びてしまえばいいんだ」
「は?」
「フヌーディ!」
私が低い声で彼を見るのと、フェリーツィアが声を上げたのはほぼ同時だった。
そんな中、ふっふっふとダフニさんが笑った。
「この村にはね、聖女様。戦争によって行き場を失った者たちも暮らしていましてね。彼もそのひとりなんですよ」
それを聞いて私は息を呑んだ。
まさか、そんな人たちの住処にもなっているなんて。
(魔女だけじゃないのか……)
「そういうわけもあって騎士団に呪いをかけることに反対する者はいなかったのですよ。騎士団がなくなり戦う者がいなくなれば戦争もしばらくは起きませんからね」
「……っ」