男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
男装聖女と魔女の家 4
まさかの誘いに私がぽかんとしていると、彼女は続けた。
「私も、もうそう長くはありません」
「おばば様、何を!」
ダフニさんは声を上げたフェリーツィアに優しく微笑みかけ、再びこちらを見た。
「聖女様がこの村を支えてくださるなら、これほど心強いことはない」
穏やかな口調で、でもその眼差しはこちらを射るように強くて逸らすことが出来なかった。
私はぐっと拳を握り、なんとか口を開ける。
「わ、私は……」
でもそのあとが続かないでいると、ダフニさんはふっふっと笑った。
「すぐに答えは出さなくて結構ですよ。よおく考えてみてくださいな」
「……」
この村で暮らすなんてありえない。私は騎士になるのだ。
そう言いたいのに、先ほどの「戦争」についてのやりとりが棘のように喉の奥に引っかかって声が出なかった。
「私たちは、ずうっと貴女様をお待ちしていました。でももし、貴女様が元いた世界に帰ることをお望みなら、その方法をお教えすることも出来ます」
「……え?」
さらりと言われて、瞬間その言葉がちゃんと頭に入ってこなかった。