男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
――元いた世界に帰る、方法……?
「え!?」
何拍か遅れて、私は大きな声を上げていた。
「そ、そんな方法があるんですか!?」
思わず身を乗り出し訊くと、ダフニさんは小さく肩を震わせおかしそうに笑った。
「ご先祖様が書き記したとされる書物に、それらしき記述が残っているのですよ」
「そ、それ、見せてもらうことはできますか?」
――それらしき記述。
確実ではなさそうだけれど、見る価値は十分にある。
(知りたい!)
城の書庫にあると思っていた書物に、こんなところで巡り会えるなんて思わなかった。
寧ろ城にあるというより、この聖女の血を継いでいるという村にあるという方が信憑性がある。
その方法を知って、帰るか帰らないかはその後で考えればいい。
今はただ純粋にその方法が知りたかった。
「勿論構いませんよ。ただ今日はもう遅いですから、明朝、日が昇ってからでも良いですか? それまでにご用意いたします」
「はい!」
私が大きく頷くと、ダフニさんはにっこりと笑った。