男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

「お前のしたいようにすればいい」

 私は目を見開く。

 ――やっぱり、ラディスは全部わかっている。

 私の正直な気持ちも。心の迷いも。
 全部わかった上で、私のしたいようにすればいいと言ってくれている。

「ラディス、私……っ」

 そのとき、近づいてくる足音に気がついて私は慌てて立ち上がった。
 ガチャと扉を開けフレージアが部屋に戻ってきた。

「お待たせしました」
「悪いな」

 フレージアは水差しとグラスの乗ったトレーをテーブルに置くと、すぐに水を注いで私に手渡してくれた。
 咄嗟の思いつきだったけれど、本当に身体は水分を欲していたようで私は一気にそれを飲み干した。

「ありがとう。美味しかった」
「良かったです」

 フレージアが嬉しそうに微笑む。
 グラスをテーブルに置いて、私は彼女に言う。

「質問ばっかで悪いんだけどさ、さっきフェリーツィアから聞いてちょっと気になったことがあって」
「何でしょう?」
「聖女の予言のこと」
「予言、ですか」

 ……そう。
 先ほどのフェリーツィアとの会話の中で引っかかっていることがある。
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