男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
「許してくれるか?」
「……」
こくりと頷く。
「抱いてもいいか?」
「!?」
急にそんなふうにはっきりと訊かれて、ボっと顔の熱が上がる。
「そ、それは……」
「どうぞ、とはそういう意味ではなかったか?」
「で、でもやっぱり、まだ」
自分でも往生際が悪いとわかっている。
でも恥ずかしい。
それに正直……怖い。
ラディスが怖いわけじゃない。
自分がどうなってしまうのかわからなくて、怖かった。
「俺は藤花に触れたい」
またも耳元で言われて、ぞくぞくと首の後ろに知らない感覚が走る。
「ダメか?」
「~~っ」
私は彼の胸に顔を埋め、小さく呟くように言った。
「……優しくして欲しい」
恥ずかし過ぎていっそ消えてしまいたかった。
「了解した」
「――わっ!」
返答と共にいきなり抱き上げられて驚く。
初めてではないのに、その横顔を見上げてドキドキした。