男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
「この世界で生きることにしたって言ったろ。そうじゃなくて、もしかしたらその本にラディスの見た夢のこととか聖女との関係も書いてあったりしないかなって」
「そういうことか」
「で、城にその書庫はあるのか!?」
思わず身を乗り出していた。
秘密の書庫。本当にあるのなら是非入ってみたい。
「秘密の、と言えるかわからんが、一応一般人の出入りを禁じている書庫ならある」
「ほんとか!? わ、私は」
「見習い騎士は入れない」
「そ、そっか……」
がくっと肩を落とす。
……でも、ということは。
「え、じゃあラディスは?」
「俺は入れる。入ったこともある」
「えっ!?」
「が、聖女に関する書物はなかった」
「なかった?」
その言い方に引っ掛かりを覚える。
「ってことは、探したってことか?」
「ああ。俺も聖女の伝説については気になっていたからな」
「なんだ……そっか」
今度こそがっかりしていると。
「お前も探してみるか?」
「え? でも見習いは入れないって」
「王陛下に言われていただろう。お前を騎士にしてもいいと」
「!」