男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

 そういえば、そんなことを言ってもらえたことを思い出す。

「無論、騎士になることはまだこの俺が許さないが」
「なんだよ……」
「が、書庫に入るくらいは許可が出るかもしれない」
「!」

 ないとわかっていても、一度入って自分で探してみたかった。
 大きく頷くと、ラディスはふっと笑って立ち上がった。

(!)

 その全裸の後ろ姿を見て私は慌てて目を逸らす。
 ……やっぱりまだ慣れない。
 自分の服を探すとベッドの足元に散乱していて、それを掴んで素早く身に着けていく。

「でも騎士なら入れるってことは、イリアスやザフィーリはもう入れるんだよな。イリアスは興味なさそうだけど、ザフィーリの奴はソッコーで行ってそう」

 笑っていると、ラディスが身支度をする手を止めた。

「……ああ、そうだ」
「ん?」
「城に戻ったら、あいつとは部屋を別にするからな」

 ……瞬間、その意味がわからなくて。

「えっ!?」

 一拍置いて、私は声を上げていた。


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