男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
ザフィーリが希望を出すのは納得だ。寝る時いつも耳栓をしていると言っていた。
でもイリアスは……。
「あいつが希望を出せば自然とお前は一人になる。何もおかしいことはない」
「それは、そうかもしれないけど……」
それでも納得出来ずにいると、ラディスの冷たい目がこちらを見た。
「それとも、なにか。お前はどうしてもあの男と同室がいいのか?」
「そ、それは……」
そんな言い方をされると返答に困る。
そりゃあ、一人部屋の方が何かと気楽そうだし、あのいびきも気にせずぐっすりと眠れるだろう。
でも……一年以上ずっとうまくやってきた友人と離れるのは、やっぱり寂しいと感じてしまう。
「あいつも納得すると思うがな」
それを聞いてハッとする。
「お前、まさかイリアスに命令するつもりか!?」
「そのつもりだが」
「やめろよ! 公私混同も甚だしい!」
ラディスの眉がピクリと上がった。
「なら、お前が希望を出すように言うか」
「……っ!」