男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
まずは人がいたことにホッとする。
顔を見合わせ私たちはそちらへと近寄った。
すると彼女はこちらが口を開くより先に責めるような口調で言った。
「そんなとこで何してんだい!」
「いや、ちょっと立ち寄ったらこんな状態でびっくりしてんだけどさ」
「あんたち、知らないのかい!?」
大袈裟なくらい驚かれて私たちはまた顔を見合わせる。
「何かあったんですか?」
今度は私が訊くと、彼女はバラノス城の方を指差した。
「いま城で原因不明の病が流行ってて大変なんだよ!」
「!」
やっぱりこの状況は呪いが原因なのかとショックを受ける。
彼女は更に続けた。
「しかもこの機を狙ってレヴァンタの奴らが攻めて来てるのさ。ここにやって来るのも時間の問題だよ」
その悪意に満ちた言い方にぎゅっと拳を握る。
「バラノスはもう終わりさ。どこから来たのか知らないけど、あんたたちもレヴァンタの騎士連中に殺されたくなかったら早いとこ逃げな!」