契約母体~3000万で買われた恋~
あんなことを聞かされた翌日なのに。

だけど、彼の顔を見るだけで、安堵してしまう自分が悔しかった。

「……理央さん。」

真壁課長が、私の名前をゆっくり呼んだ。

その声に、胸がざわつく。

「今日、妻に言われて……他の女性と会ってきたんだ。」

その言葉に、私は背筋が凍る思いがした。

「……え?」

昨日、麻里さんに言われた言葉が、現実になった。

本当に、他の誰かに子供を――?

「どうでした……?」

震える声で尋ねると、真壁課長――慎一さんは、静かにソファに体を預けた。

「まるで……子供を金の道具としか思ってない人だったよ。」

言葉のトーンは淡々としていた。けれど、その奥に沈んだ怒りと虚しさがにじんでいた。

「3000万もらえるなら、何人でも産むって言ってた。2人産めば6000万だって……」

「そんな……」

吐き出すように私が言った言葉は、誰に向けたものだったのだろう。
< 22 / 51 >

この作品をシェア

pagetop