契約母体~3000万で買われた恋~
胸の奥が、音を立てて脈打つ。

やっと届いた――そう思えた。

「……産んでくれるか? 俺の子供を。」

その問いに、私は迷わなかった。

「……はい。」

断る理由なんて、もうどこにもなかった。

私はこの人を、ずっと好きだった。

身体だけじゃない、心の奥から――愛していた。

「結ばれなくてもいい。だけど……君とは、心で結ばれていたい。」

その言葉が、胸に染みた。

そして、慎一さんは私に、静かに唇を重ねた。

優しく、深く、震えるような口づけだった。

そこにあるのは欲望だけじゃない。

儚くて、どうしようもないほど、真剣な想いだった。

「理央……」

彼が名前を呼んだその声に、自然と涙が滲んだ。

「体外受精は、身体への負担も大きいって……聞いた。」

慎一さんは、私の髪に触れながら、静かに言葉を紡いだ。

「でも……俺が、理央を側で支える。どんな時も、ひとりにはしないから。」
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