契約母体~3000万で買われた恋~

第3章 愛人としての初夜

その日の夜――

バスルームから漏れる水音を聞きながら、私はベッドの上で静かに座っていた。

“これから、私は真壁課長と結ばれる”

その事実が、怖さよりも喜びとして胸を満たしていた。

「理央。」

声に振り返ると、慎一さんがバスローブ姿で立っていた。

濡れた髪からは、石鹸の清潔な香りがふんわりと漂ってくる。

そのまま彼は、ベッドに腰を下ろした。

私のすぐ隣に。

私は、既にシャワーを済ませていた。

薄いネグリジェをまとったまま、彼の顔をじっと見つめる。

「……その、君は……男性経験、ある?」

慎一さんが、少しだけ声を低くして聞いてきた。

不意の質問に驚いたけれど、私はにっこりと微笑んで答える。

「処女じゃありません」

一瞬だけ、彼の目が優しく細められた。

「そうか……」

照れるように髪をかく仕草が、なんだか可愛らしく見えて、私は少し笑ってしまった。
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