契約母体~3000万で買われた恋~
「でも……好きな人に抱かれるのは、初めてなんです。」

そう言った瞬間、視界がにじんだ。

溢れ出した涙が、頬をつたってこぼれる。

真壁課長――慎一さんは、その涙をじっと見つめていた。

「今までの恋愛は、全部嘘だった。誰かに告白されたから付き合っただけで、本当の意味で……好きになれなかった。」

震える声で紡ぐ過去は、もうどうでもよかった。

「慎一さんが初めてなんです。心から好きだって、胸を張って言える人……」

次の瞬間、慎一さんは「理央。」と私の名をそっと呼び、そっと腕をまわした。

胸に抱かれた体が、あたたかい。

そして、ゆっくりとベッドに押し倒される。

目と目が合い、彼の吐息が頬に触れる。

そのぬくもりが、私の全身をやさしく包んでくれた。

「怖くないか……?」

低く掠れた声が耳元で響く。

私は首を横に振った。
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