契約母体~3000万で買われた恋~
「理央の中に……ああ……」

そう言って、慎一さんの動きがふと止まった。

次の瞬間、私の中に静かに、あたたかな熱が流れ込む――

それは、ふたりが確かに“愛し合った証”だった。

ぴたりと身体を重ねたまま、彼が優しく私の髪を撫でる。

「理央……大丈夫?」

囁くように聞かれて、私は堪えきれず、ぽろぽろと涙をこぼした。

痛くない。苦しくない。ただ――嬉しくて。

「ありがとう、慎一さん……」

頬を寄せると、彼は何も言わず、そっと私を抱きしめてくれた。

その腕の中が、あたたかくて優しくて――

私はもう、何もいらなかった。

この夜を越えて、私は本当に“彼の人”になったのだと思った。
< 35 / 51 >

この作品をシェア

pagetop