契約母体~3000万で買われた恋~
「君の前では……もっと、紳士でいたかったんだ。」

その言葉に、私はふっと笑ってしまった。

こんな真面目で、不器用で、愛情深い人を――

私はやっぱり、心から好きなんだと改めて思った。

「いいのよ。私は……慎一さんの思う通りにしてくれて、嬉しかった。」

そう言って彼の胸に頬を預けると、慎一さんはゆっくりと目を閉じた。

そして、まるで秘密を打ち明けるように、静かに告げた。

「……実は、あまり女性経験がないんだ。初めても……麻里だった。」

その告白は、驚きというよりも、彼らしかった。

完璧に見える人ほど、案外どこかで不器用だったりする。

私は彼の胸に手をあてながら、優しく答えた。

「じゃあ……これからは、私が慎一さんの“はじめて”を、たくさん更新していきますね。」

その言葉に、彼はくすりと笑い、私の髪を撫でてくれた。

夜の余韻が、あたたかく私たちを包み込んでいた。
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