契約母体~3000万で買われた恋~
目を伏せたまま、まるで自分を責めるように言ったその声が、胸を締めつけた。

だけど――それでも、私はこの人を欲していた。

彼の身体も、彼の命も、彼の愛も――全部。

シャワーを浴びたばかりの慎一さんが、濡れた髪を手ぐしで整えながら、タオルで首元を拭う。

その何気ない仕草が、なぜかいつもよりセクシーに見えた。

バスローブの隙間から覗く濡れた肌――

見慣れたはずの姿が、今夜は少しだけ違って感じられる。

「……理央。」

甘い声に呼ばれて顔を上げると、慎一さんがふっと微笑んだ。

「これで……理央との逢瀬も終わりかもな。」

その言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。

「ありがとうございました。」

終わりなんて、まだ来ていないのに。

でも、口から出たのはそんな“お礼”の言葉だった。

「……楽しかった。」

ぽつりと漏れたその声に、再び唇が触れた。
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