契約母体~3000万で買われた恋~
「……次の排卵日、ちゃんと確認して。分かったら、すぐに連絡ちょうだい。」

それだけ言い残すと、麻里さんは踵を返して出ていった。

私は残されたソファに崩れるように座り込んだ。

自分の身体すら、自分の思う通りにならないことが、こんなにも悔しいなんて。

でも、諦めたくなかった。

私が選んだ道。

好きな人の子供を、この手で抱きしめる日を信じて――

でも――現実は、あまりにも残酷だった。

慎一さんがこの家を訪れるのは、ただ排卵日に合わせてだけ。

それまでの日々、彼の声も、体温も、優しささえも手に入らない。

「うううっ……」

毛布にくるまって泣いた。

寂しさと空しさが、波のように押し寄せてくる。

私の存在意義は何? “好きな人の子供を産む”と、自分に言い聞かせたけれど――

それすら、誰かの計画の一部にすぎなかった。
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