契約母体~3000万で買われた恋~
その時――。

けたたましく鳴るスマートフォン。

心臓が跳ねる。

まさか……と祈るように表示を見れば、そこに「真壁慎一」の文字があった。

「……えっ? 慎一さん?」

震える手で通話ボタンを押す。

『ああ、理央? ごめん……今頃になって、麻里から妊娠は失敗だったって聞かされて。』

その瞬間、全てが崩れた。

期待なんてしていなかった。

けれど、どこかで奇跡を願っていた。

涙が一筋、頬を伝った。

「そうですか……」

『理央、泣いてるのか?』

優しい声が鼓膜を揺らす。

その声音に、堪えていたものが決壊した。

「……会いたいんです、慎一さん……」

「……会いたいんです、慎一さん……」

喉が詰まるような声で、私は言った。

欲しいのは愛の証明なんかじゃない。

ただ――彼に、逢いたい。

「でも、会うのは排卵日って……」
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