神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私は無意識に立ち上がり、国王の前へと足を運んだ。

ざわつく場内。だが、私はもう誰の声も聞こえていなかった。

「これは――信託である。」

響き渡るその声は、まるで鐘の音のように神殿の天井を震わせた。

私の口から、違う“誰か”の声が発せられる。

「皇太子、レオナルト・ヴァレンティスの妃は……今の聖女、エミリア・セラフィーナである。」

神官たちは息を呑み、レオは目を見開いた。

父王の青く光る瞳が、一瞬、揺れた――

「……国王、アレクシオ・ヴァレンティス。その瞳に宿る魔の力、この手で解き放ちます。」

私はそっと両手を王の頭上にかざした。

聖なる力が指先から溢れ、淡い光が波紋のように広がっていく。

「聖女よ……まさか……」

周囲の者たちが息を飲む。

やがて光は一点に収束し、王の額に吸い込まれるように入り込んだ。

「……うっ……ぐ……!」

王は苦悶の表情を浮かべ、しばし呻き声を上げる。そして――
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