神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
レオは父王の目を真っ直ぐに見つめ、はっきりと告げる。

「父上も聞かれたはずです。聖女の信託を。」

沈黙が走る。

「皇太子・レオナルト・ヴァレンティスの妃は、聖女・エミリア・セラフィーナ。」

そして――

「もはやクラリーチェと婚約を続ける理由は何一つとして存在しません。」

クラリーチェの顔から、余裕が失われていく。

「そんな……あなたは私を選ぶって……!」

「君の魔力に惑わされていた自分が、恥ずかしい。 君は妃にふさわしくない。」

レオが静かに言い放ち、聖剣を高く掲げる。

「成敗だ――!」

「……っ!」

私は、ふらつきながらもレオの足首を掴んだ。

「エミリア!?」

レオが驚いた表情で私を見下ろす。

「……あなただけでは……この女は倒せません……」

私の声はかすれていた。それでも、必死に伝えようとする。

「魔力の核が……この空間に……まだ……」
< 104 / 162 >

この作品をシェア

pagetop