神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
だが、体に力が入らない。視界がにじむ。

「ふふ……やっぱりねぇ?」

クラリーチェが、冷ややかに笑った。

「神託を下ろした直後の聖女なんて、力を使い果たして抜け殻よ!」

彼女の声が、玉座の間に響き渡る。

「それにぃ――あなたはただの聖女。」

クラリーチェは、勝ち誇ったように口元を吊り上げた。

「皇太子妃になるこの私の前では、何の力もないのよ。」

ざわ……と玉座の間がどよめく。

私は何も言い返せず、震える指先を握りしめた。

「――やめろ。」

レオが私の前に立ち、その背で私を庇った。

「クラリーチェ。君も聞いたはずだ。神託を。」

「ふん……あれは聖女が勝手に言ったこと。国王が認めなければ、何の効力もないわ!」

彼女の目は青く光り、不穏な魔力が揺れていた。

「国王が婚約破棄を決断するまでは、私は正式な皇太子妃。 そうでしょう?」
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