神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
挑発するようなクラリーチェの声に、国王・アレクシオは戸惑いの色を見せた。

「こ、これは……確かに国としての決定は……」

「父上!」

レオの声が響いた。

「クラリーチェとの婚約破棄を、今ここで正式に宣言してください!」

「な、なに……?」

突然の強い要請に、国王の表情が硬直する。

「エミリアは神に選ばれし聖女。そしてこの国を照らす光。その彼女が神託で俺の妃とされたのです!」

「そ、そんな……」

クラリーチェが初めて、顔を引きつらせた。

「……レオナルト。お前は本気なのか。」

国王の瞳が、今ようやく澄んだまま息子を見つめた。

レオは強く頷く。

「だが……クラリーチェは、正当なるエインベルク公爵家の令嬢のはずだ。」

その声に、玉座の間がざわつく。

レオがはっきりと声で言葉を重ねた。

「否――彼女の本当の名前は、クラリーチェ・ルーヴェン。」

「なに……?」
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