神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
そのとき、玉座の上で国王――アレクシオ・ヴァレンティスが、重い声を落とした。

「……私は……あの女に……操られていたというのか。」

その目は深い悔恨に揺れていた。

王としての誇りを、誰よりも重んじていたあの人が……。

私は立ち上がり、ふらつきながら頭を垂れた。

「国王陛下。どうか、ご自分を責めないでください。あれほど強い魔力に抗える者など、そうはいません。」

「だが――」

王は拳を握ったまま、声を失った。

王は震える拳を握ったまま、しばらく沈黙していた。

そして、搾り出すように呟いた。

「……もう、王座は譲った方がいいかもしれぬ。」

「父上!」

レオは、驚きと戸惑いの入り混じった声を上げて、国王の側へ駆け寄った。

「そんな、弱気にならないでください!」

だが、王はゆっくりと首を振った。

「いや……魔女に操られたなど、王としてあってはならぬことだ。国を、民を守る立場にありながら、己の心すら守れなんだ……」
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