神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「なにを言ってるの!」

私は思わず起き上がり、彼を見下ろした。

「そんなの、できるわけないじゃない……!」

「でも、万が一がある。俺は聖剣を持つ者として、王族として、みんなを守る立場だ。俺が、敵になるようなことがあれば――」

「敵になんか、させない!」

私はレオの胸にすがりついた。

「何があっても、私があなたを守る。だって、私は……聖女なんだから!」

「エミリア……」

レオが私を抱きしめた。

その手の力が、いつもよりずっと強い気がした。

「君は、俺の光だ。……だから、俺も約束する。どんなことがあっても、君の手を離さない。」

「うん……絶対、離れないで……」

外では風が木々を揺らしていたけれど、その夜、テントの中だけは、静かな祈りのような温もりで満ちていた。

「君をこうして抱きしめて寝るのも、最後かもしれないな。」

レオがぽつりと呟いたその声が、耳の奥にじんわりと染みた。
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